iDecoとふるさと納税は併用してもいいの?損をするってほんと?
お得に節税できるしくみとして知られる「iDeco」や「ふるさと納税」。
iDecoは運用益が非課税になる、ふるさと納税は節税できる上に返礼品をもらうことができるな、それぞれにお得なメリットがあります。
しかし、ネット上には「iDecoとふるさと納税の併用に注意!」という記事も見られます。制度上併用はできるのでしょうか?
結論から申し上げますと、併用は可能です。
しかし、注意したいのは「iDecoと併用した場合、ふるさと納税の『控除上限額』が下がる」という点。
まずはiDecoとふるさと納税の特徴を踏まえ、詳しく解説していきます。
目次
iDecoとは?
月々5,000円から始めることができ、老後資金のために活用している方も多いiDeco(イデコ・個人型確定拠出年金)は私的年金の制度です。
自分で申し込み、掛金を拠出し、運用方法を選んで掛金を運用します。 掛金とその運用益との合計額を給付として受け取ることができます。
運用方法は定期預金、保険、投資信託などの中から選ぶことができますが、運用益を出しながら税制メリットを享受できる投資信託を活用している方が多いのではないでしょうか。
掛け金は「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除を受けることができます。
通常であれば投資信託などの運用益には約20%の課税がかかりますが、iDecoを利用した場合は非課税になるというお得な制度です。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、生まれ育った地域や応援したい自治体を自ら選んで寄付することができる制度。寄付した自治体によって様々な返礼品を貰える点が特徴です。
お得なポイントは、「寄付した金額から2,000円を差し引いた額が所得税・住民税から控除される」という点。
寄付金額から2,000円を引いた額は、翌年の税額から控除されます。
つまり、「実質自己負担2,000円で返礼品をもらうことができる」という税制メリットがあるのです。
ここで注意したいポイントは、「控除額の上限が決まっている」という点。
所得額などによって控除額上限があり、上限を超えて寄付した分の金額については自己負担となります。
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併用するときに気をつけたいポイント
iDecoとふるさと納税、どちらも節税のためには役立てたい制度。しかし、「iDecoとふるさと納税を併用すると損」と言われることも。
その理由は、「iDecoの掛け金を所得から控除すると、その分所得税や住民税が小さくなる。そのため、ふるさと納税を自己負担2,000円で活用できる限度額が小さくなる」ということなのです。
iDecoの掛け金は所得控除を受けることができますが、ふるさと納税の控除上限額は課税所得をもとに決定されます。
そのため、iDecoで節税できた分、ふるさと納税を活用できる幅が減るということになるのです。
併用のメリット
ふるさと納税の控除上限額だけを見ると、併用するにはデメリットが大きいように思えます。しかし、ふるさと納税だけを行う場合と、iDecoとふるさと納税を併用した場合の節税額を比較すると、併用のメリットが見えてきます。
こちらのサイトを活用して、ふるさと納税のみを利用する場合、iDecoと併用する場合のシミュレーションを行なってみました
例)年収400万円/独身
A.ふるさと納税のみを利用する場合
ふるさと納税控除上限額:42,000円
ここから自己負担額2,000円を引くと 42,000-2,000=40,000
よって、節税額は40,000円となります。
B.ふるさと納税とiDecoを併用する場合 (iDecoでは月2万円の積立を想定)
①ふるさと納税の控除額
ふるさと納税控除上限額:36,000円
ここから自己負担額2,000円を引くと 36,000-2,000=34,000
②iDecoの節税額
iDeCoの年間掛金額(所得控除額)×(所得税率+住民税率)
=24万円×(10%+10%)
=48,000円
(※所得税率は課税される所得金額により変動し、ここでは10%と仮定しています。
詳しい所得税率については国税庁のHPをご確認ください。)
ふるさと納税とiDeCoの合計節税額
34,000+48,000=82,000
AとBを比較すると、節税額には42,000円の差が生まれることがわかりました。
併用した場合にはふるさと納税の控除上限額は減りますが、iDecoの節税効果と合わせると、併用した方が得られるメリットが大きいことがわかります。
まとめ
具体的なシミュレーションを行なってみると、iDeco・ふるさと納税の併用メリットが明確にわかりますね。
上記のサイトなどを活用し、ご自身の年収・家族構成により得られる節税効果を算出してみることをおすすめします。
iDeco・ふるさと納税ともにお得な制度ですので、どちらもうまく活用しながら節税メリットを享受してみませんか?
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